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ウィークリーレポート

WEEKLY REPORT
2019/5/21 更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

  • 先週末5月17日高値の110円19銭を上抜け、110円台での下値固めとなるか
  • 米中両国間の通商問題を巡る動向や中国政府の景気対策への上海株の動きは
  • 日本1-3月期GDP、政府の景況判断、消費税増税、日銀の緩和圧力の行方に注目
  • 欧州議会選を巡るEU懐疑派台頭や英EU離脱問題での対ドル、対円の影響は
  • 米中問題の根深さ、長期化懸念による新興国通貨への影響に要警戒

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 109.02-110.19


先週の振り返り

日本の長期連休明けとなった5月6日週は、週を通じて米中通商交渉問題が株式・債券市場も含め金融市場全体の重石となる政治主導の相場が続きましたが、先週も依然、米中通商問題を中心にした政治相場の色彩が残る一方、米国の経済指標に一喜一憂するファンダメンタルズに基づいた相場展開も見られるなど、政治と経済の混在が見られる一週間となりました。

5月10日のNY市場を109円95銭で取引を終えたドル/円は、週明け13日の東京市場で109円83銭を高値に109円02銭まで反落、景気動向指数を受けて内閣府の景気基調判断が6年2ヵ月ぶりの「悪化」へ修正されたほか、中国が米国からの輸入品600億ドルを対象に5%~25%の制裁関税を6月1日から発動すると発表。米中通商問題を巡る関税合戦が再燃世界経済の減速懸念を背景にNYダウも一時700ドル超の下落を経て617ドル安となったことも影響し、リスク回避の円高が進みました。

その後、米中貿易交渉について米国から関係改善に前向きな姿勢が示されたことから109円77銭まで反発したものの、日経平均株価の下落や中国4月鉱工業生産や小売売上高が予想を下回ったこと、さらに15日発表の米4月鉱工業生産指数や小売売上高も下振れたことから、ドル/円は再度109円15銭まで反落、上値の重い値動きが続きました。

しかし、翌16日発表の米5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や4月住宅着工件数が予想を大きく上回ったことが好感されたほか、ネットワーク機器大手シスコ・システムズをはじめ、米主要企業の好決算を受け、NYダウ、ナスダックともに大幅に上昇するなど株高・ドル高といったリスク選好を背景にドル/円は109円97銭まで反発、先週末17日の東京市場で一時110円台を回復するなど堅調な値動きとなりました。

その後、トランプ政権は米国の欧州や日本からの輸入車に対する関税引上げを最大6ヵ月延長するとした一方、輸入制限といった数量規制を検討、早ければ週末にも大統領令を発動する可能性が懸念されたほか、中国通信機器大手ファーウェイへの規制強化に対し、中国・新華社など国営メディアが米国との通商交渉に消極的な論説を掲載したことも嫌気され、ドル/円は一時109円50銭へ反落しました。

トランプ大統領の輸入車に対する数量制限の大統領令発動が見送られる中、米5月ミシガン大消費者景況指数が5年ぶりの高水準となったことからドル/円は110円19銭まで反発し110円07銭で17日のNY市場の取引を終了しました。

一方、今週23日~26日にかけての欧州議会選挙に対するEU懐疑派の台頭懸念やイタリアの財政問題などを背景にユーロは対ドル、対円で下落したほか、EU離脱問題の先行き不透明感を背景にポンドも終始冴えない値動きを続けました。


注目すべきポイントはここ!今週の見通し

今週のドル/円は先週末17日のNY市場での高値となった110円19銭を上抜け、5月6日のトランプ大統領による対中制裁関税発表前の水準に迫ることが出来るか、さらには先週の109円02銭を当面の下値として110円台での底堅い値動きを継続することが出来るか注目されます。

トランプ政権は先週、米国の欧州や日本からの輸入車に対する関税引上げを最大6ヵ月延長するとし、数量規制の発動も見送ったとはいえ、引き続きトランプ大統領をはじめとする米政府高官らの発言や動向には注意が必要です。また、中国通信機器大手ファーウェイへの規制強化への動きに対し、中国国営新華社は対米通商交渉に消極的とする論説を掲載、交渉再開の意思を示したトランプ政権への揺さぶりも見られるなど、米中通商問題の根深さへの懸念が引き続き相場の重石につながる可能性があります。

こうした米中間の争いは、貿易戦争に留まらず覇権争いも含めた長期化に対する懸念を背景に新興国市場から安全資産とされる米国やドイツ国債への資金流出につながり、新興国通貨の軟調がリスク回避の動きを助長する一因となるか、注視が必要となりそうです。

こうした中、週明け20日には日本1-3月期GDP速報値が発表されますが、先週13日発表の景気動向指数を受けて内閣府が景気の基調判断を6年2ヵ月ぶりに「悪化」に引き下げた後だけに、GDPの結果次第では今週24日の月例経済報告での政府の景気判断に影響が及ぶと思われ、今秋の消費税増税を巡り、日銀に新たな緩和圧力への思惑につながるか、ドル/円の反応が注目されます。

一方、23日未明に公表されるFOMC議事要旨では先行きのインフレや景気、更には金融政策について欧州や中国経済など世界経済に対する懸念を背景に年内の利下げ観測を高める内容となるか、米債券・株式市場の動向には注意が必要です。

さらに欧州ではイタリアの財政や政局を巡る懸念に加え、今週23日から26日にかけて751議席を争う欧州議会選挙で、現有156議席のEU懐疑派の躍進について世論調査の結果次第ではユーロ売りが一段と進みドル高につながる可能性があります。同様にEU離脱協定案を巡り、野党からの支持を得られない苦しい状況にあるメイ英首相も6月に退任時期を明らかにすると見られ、ポンドの対ドルでの軟調が先週に続き一段と加速するか注目されます。

こうした中、ドル/円は先週13日の109円02銭を下値に週末17日には110円19銭へ反発し110円07銭で先週末の取引を終えただけに、今週の日本のGDP速報値やFOMC議事要旨、米耐久財受注や中古住宅販売などを経て109円台後半での底堅さを確認、110円台へと下値を切り上げることができるか注目されます。

米中通商問題、米中覇権争いの激化に対する懸念は少なくとも6月下旬の大阪G20での米中首脳会談まで尾を引く可能性もあり、来週末のトランプ大統領の来日に向けて米中双方が歩み寄る姿勢を見せるのか、リスク回避の一段の進行に歯止めがかかるか、注目されます。いずれにしても不透明な政治情勢を踏まえれば本格的なリスク選好の回復は難しい中、ドル/円は徐々に下値を切り上げながら110円台前半から半ばへの上昇に留まる慎重な値動き継続するものと思われます。

また、18日の豪選挙では事前予想に反し与党・保守連合が野党・労働党を下し、政権維持が明らかになったほか、鉄鉱石価格も5年ぶりの高値を付けたこともあり、豪ドルが対ドル、対円で反発に向かう可能性もある一方、6月4日の次回豪中銀政策委員会での利下げ観測も聞かれるだけに、強弱交錯する材料の中で豪ドルの動向も注目されます。

今週発表される主な経済指標としては、以下予定されています。

5月20日
英5月住宅価格、日本1-3月期GDP速報値、3月鉱工業生産確報値
独4月生産者物価指数、ユーロ圏3月経常収支、米4月シカゴ連銀景況指数
5月21日
パウエルFRB議長講演、豪金融政策委員会議事要旨
ユーロ圏5月消費者信頼感、米4月中古住宅販売件数
トルコ5月消費者信頼感
5月22日
日本4月貿易収支、3月機械受注、NZ1-3月期売上高指数
豪5月消費者信頼感指数、ドラギECB総裁講演、南ア4月消費者物価指数
英4月消費者物価指数、4月小売物価指数、4月卸売物価指数コア
カナダ3月小売売上高、FOMC議事要旨公表
5月23日
独1-3月期GDP改訂値、スイス1-3月期鉱工業生産
仏5月企業景況感指数、仏・独・ユーロ圏5月製造業・サービス業PMI
独5月IFO企業景況感指数、カナダ3月卸売売上高
米新規失業保険申請件数、米5月フ製造業、サービス業PMI
米4月新築住宅販売、欧州議会選挙(~26日)
 
5月24日
日本4月全国消費者物価指数、3月全産業活動指数、NZ・4月貿易収支
英4月小売売上高、米4月耐久財受注

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