WEEKLY REPORT

2018/10/23更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと
為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

NY株式市場が落ち着きを取り戻すか、アマゾンやアルファベットの決算に注目

上海株や日経平均株価に下げ止まりの兆候が見られるか

ベージュブックや米7-9月期GDP速報値がリスク選好の切り札となるか

イタリア財政問題や英EU離脱交渉への行方は?

カナダ中銀やトルコ中銀の金融政策(利上げ予想)の反応に注目

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 111.63-112.74

先週の振り返り

10月13日に米財務長官が日本との通商協議で為替条項を求める意向を示したことで円高進行への懸念を背景に週明け15日の日経平均株価は423円安と大幅安となる中でドル/円も朝方の112円23銭を高値に112円割れへと円高が進みました。

さらに、サウジアラビアの反政府を掲げるジャーナリストがトルコのサウジ領事館内で殺害された疑惑を巡る米国と米国の最大の武器輸出国であるサウジとの関係悪化が懸念されたこともありリスク回避の動きを強めドル/円は111円63銭まで下落しました。しかし、FOMC議事要旨公表に向けて米金利先高観は揺らぐことはなく、日米金利差も意識されドル/円は112円台前半へと反発しました。米中貿易問題の長期化による中国の景気減速懸念のほか、サウジ人ジャーナリストの殺害を巡るムハンマド皇太子の関与も疑われるなど中東情勢を巡る警戒感などがNY株式市場の調整色を強めることにつながったこともリスク回避の思惑を高め、ドル/円の上値抑制の一因となりました。

そのほか、14日に行われた独バイエルン州議会選挙でメルケル首相との連立政権を組む与党が大敗。さらに英国のEU離脱交渉を巡り、アイルランド・北アイルランドとの国境や税関の設置が大きな争点となる中で妥結の糸口も見えない状況も英国経済のみならず欧州経済への影響が懸念される状況が続くなど、欧州通貨の対ドルでの軟調地合いが、ドル/円の下値支援の一因となりました。一方、8日-12日の一週間で4%以上も下落したNYダウが16日に500ドル以上反発するなどリスク回避志向の後退を背景にドル/円は徐々に下値を切り上げる中、FOMC議事要旨でFRBの利上げ継続姿勢を確認したことからNYダウの下落にもかかわらず、ドル/円は112円74銭まで反発しました。

こうした中で、懸念されていた米財務省が議会へ提出した半期に一度の為替報告書の中で中国を為替操作国と認定することが回避されたことや、米長期金利の3.2%台への上昇の一方で、英EU離脱を巡る先行き不透明感やイタリア財政問題を背景にした欧州通貨の対ドル、対円での軟調がドル/円の値幅を狭める結果となり、週後半に向けては112円台前半112円台半ばを中心にした限られた値幅での取引となりました。

週末19日のNY市場では英EU離脱問題に関し、メイ首相がアイルランド国境問題で主張してきた要求を取り下げる用意があるとの発言が報じられ、離脱交渉進展期待を背景にポンドが対ドルで1.3104ドルへ、対円で147円34銭へ反発。さらにEUで経済・財務分野を担うモスコビシ欧州委員が、イタリアの2019年の予算案を巡る協議でイタリアとの対立を和らげることに前向きな発言が聞かれたとの報道に加え、イタリア政府が財政赤字のGDP比率を従来から引き下げる方針との報道もありユーロも対ドルで1.1534ドルへ、対円でも129円68銭まで反発。

ドル/円もFRBの年内1回、来年3回の利上げが想定されており、来年中に政策金利は3%を上回ることからFRBの中立金利は予想以上に引き上げられるとの見方も強く、こうした思惑がドルの堅調地合いをサポート。また、ポンド/円やユーロ円の反発もドル/円の堅調地合い継続につながり、ドル/円は112円55銭で、ユーロは1.1514ドル、ユーロ円は129円57銭で先週末の取引を終了しました。

注目すべきポイントはここ!今週の見通し

今月2日に日経平均株価が年初来高値(ザラ場:24,448円、終値:24,270円)を付けたものの米長期金利上昇のほか、複数の政治的な懸念材料が台頭したことによるNY株式市場の調整や上海株もおよそ4年ぶりの安値まで下落するなど米中貿易問題長期化懸念と同時に中国の景気減速懸念も聞かれ、日経平均株価は先週末時点で今年8月以来となる一時22,200円台前半まで下落しています。

一方、欧州では英国EU離脱問題を巡り、当初期待されたEU首脳会議での大筋合意に向けた交渉がアイルランド・北アイルランドとの国境や税関設置を巡り事態打開へ向かうのか、来年3月29日に期限が迫ったEU離脱が合意のないハードブレグジットの可能性も現実味を増しつつあります。また、イタリアの財政問題を背景に核付け機関ムーディーズがイタリアを格下げするなど引続きイタリアの財政問題を巡るユーロの動向も注目されます。今週25日のECB理事会で、こうした懸念が欧州経済の先行きに影を落とす可能性に言及することになればユーロやポンドが一段と下落する可能性もありそうです。

こうした中、米国ではサウジアラビアのジャーナリストがトルコの領事館で殺害された疑惑を巡りムハンマド皇太子が関与した疑いが晴れず、サウジアラビアで開催の国際的な会合に先進国が相次いで欠席を表明するなど影響が広がっています。米国にとって最大の武器輸出国であるサウジアラビアとの関係悪化となれば中東情勢の不安定化といった地政学リスクが高まる事態に発展する可能性があるほか、米防衛産業への受注減の思惑を背景にNY株式市場の下落要因になりかねず、リスク回避志向が高まることになるかもしれません。こうした政治関連の動向が目まぐるしく動く中でNY株式市場が落ち着きを取り戻すことができるか最大の焦点となりそうです。NYダウは先週一週間で104ドル高と4週ぶりの週間でプラスと反発、こうした動きが今週も継続するか注目されます。混沌とする政治情勢の中で11月6日の米中間選挙へのカウントダウンが迫る中、トランプ大統領にとってNY株式市場の調整が長引くことになれば頭痛の種になるだけに、FRB批判などのトーンを一層強めることになるかもしれません。

今週26日には米7-9月期GDP速報値が発表され、前期(前期比+4.2%)から減速(前期比+3.3%)の予想となっています。しかし、2四半期連続で前期比+3.0%を上回る高成長を持続していることを市場がどのように評価するのか、好調な米国経済と捉え、リスク回避志向からリスク選好への転換につながるのか注目されます。また、今週発表されるアルファベット(グーグル)やアマゾンの決算もNY株式市場に影響を及ぼす可能性があります。こうした中でドル/円は112円台前半での底堅い値動きを続け、113円台、114円台へと上昇基調を再び強めることが出来るのか注視が必要です。

その他、利上げ観測も聞かれる24日のカナダ中銀や25日のトルコ中銀の政策委員会での反応、特にインフレ上昇が加速する中でトルコ中銀の利上げ幅にも注目が集まる中で、トルコ/円が20円台を定着できるか動向を追う必要がありそうです。

今週発表される主な経済指標としては、以下が予定されています。

10月22日: 日本8月全産業活動指数、カナダ8月卸売売上高 10月23日: 独9月卸売物価指数、ユーロ圏10月消費者信頼感指数
米10月リッチモンド連銀製造業指数、米2年債入札
10月24日: 日本8月景気先行・一致指数(改定値) 
仏・独・ユーロ圏10月製造業、サービス業景況感指数
仏10月企業景況感指数、ユーロ圏9月マネーサプライ
米8月住宅価格指数、10月製造業・サービス業景況感指数、10月新築住宅販売
カナダ中銀政策金利発表、米5年債入札、ベージュブック(地区連銀経済報告)
10月25日: NZ9月貿易収支、日本9月企業向けサービス価格指数、前週分対内対外証券投資
独11月消費者信頼感調査、9月IFO景況感指数
南ア9月卸売物価指数、トルコ中銀政策委員会
ECB理事会、ドラギECB総裁会見、米7年債入札
米前週分新規失業保険申請件数、米9月耐久財受注、9月中古住宅販売保留指数
10月26日: 日本9月東京都区部消費者物価指数
仏10月消費者信頼感指数、9月卸売物価指数
米7-9月期GDP速報値、米9月ミシガン大消費者景況感指数(確報値)

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