WEEKLY REPORT

2018/12/11更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと
為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

11日の英EU離脱協定案を巡る英議会採決の行方と反応は?

米長期金利の一部期間での逆イールドの状態が解消に向かうのか

米中貿易問題に対する具体的進展があるか、対立懸念再燃か沈静化に向かうか

トルコGDPはマイナス成長に転落か、13日のトルコ中銀は利下げ実施の可能性も

13-14日のEU首脳会議、英議会の離脱協定案の採決次第では大きな焦点に

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 112.23-113.71

先週の振り返り

G20閉会後の米中首脳会談での通商交渉の行方を確認したいとして積極的な値動きが控えられる一方、NY株式市場の上昇を好感し、113円73銭まで上昇したものの、12月1日の米中首脳会談を前に積極的なドル買いも手控えられ113円48銭まで反落して取引を終えました。

米中首脳会談では追加賦課関税発動を一時休止し、90日間の猶予期間中に中国が知的財産権侵害の是正や技術移転強要の是正、さらには非関税障壁の撤廃など6つの分野で具体的な改善策を示すのか確認するまで賦課関税の先送りとした結果を好感、週明け早朝のシドニー市場でドル/円は113円86銭まで上昇しました。しかし、中国が短期間に米国の要求通りに改善を進めることは難しいだろうとの懐疑的な見方も聞かれ、日経平均株価は思った以上の上昇にならず、ドル/円は徐々に上値を切り下げる展開となりました。

しかし、米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことであらためて米経済の堅調を確認したほか、イタリアの財政問題や英EU離脱協定案を巡る不透明感を背景にした対欧州通貨でのドルの堅調地合いを支援材料にドル/円は113円71銭まで反発しました。一方、FRBの金融政策に対し、中立金利に近づいているとの観測も根強く、米10年債利回りは3.0%割れへ低下したこともドル/円の上値抑制として影響しました。

翌4日には米債券先物市場での長期金利の低下を背景に113円06銭まで円高が進んだことも影響し、米中首脳会談の成果を背景にしたリスク選好の動きが一日で剥落、日経平均株価も500円超の下落と冴えない動きとなりました。米FRBの金融政策を巡る漸進的利上げ継続観測の後退や米中貿易問題が容易には解決しないことの悲観的な見方も再認識されたことで、ポジション調整が進み、ドル/円は海外市場で112円58銭へ下落しました。主要各国の株式市場の不安定な状況にも過度な円高の進行は回避されたことからドル/円は113円06銭まで反発しました。

その後も5日のブッシュ元大統領の死去に伴う「国民追悼の日」で米株式・債券市場が休場となる中、ドル/円は欧州市場序盤以降から続く112円93銭を下値にした堅調地合いを維持。材料難の中でユーロやポンドが対ドルでの上値の重い値動きを続ける中、NY株式先物の上昇も手伝い、ドル/円は113円23銭まで反発しました。しかし、米長期金利は低下傾向を続け、一部期間での長短金利差の逆イールドの状態も出現したことが重石となり再度、ドル/円は円高方向へとバイアスを強めるなど、FRBの金融政策が来年以降、転換を迎えるとの観測が高まりました。

加えて、米国の対中強硬姿勢の表れとして中国の通信大手ファーエイ幹部の逮捕も伝わるなど米中関係の先行きや米中通商交渉の先行き懸念を背景に6日のNY株が序盤に大幅安となったことからNY市場でドル/円は112円23銭まで下落しました。しかし、米経済の堅調地合いを鑑みると長期金利の低下や株式市場の大幅下落は行き過ぎとの見方も聞かれ、NY株式市場は終盤にかけて下げ幅を急速に縮小したことに伴ってドル/円は112円76銭まで反発しました。

また、7日の東京市場では日経平均株価の反発を好感し112円93銭まで反発したものの、113円台を回復するには至らず、あらためて上値の重さを確認しました。7日に発表された米11月雇用統計では失業率こそ3ヵ月連続で数十年ぶり低水準となる3.7%と堅調な労働市場を確認した一方、就業者数は15.5万人増と市場予想の20万人弱を下回ったほか、10月も23.7万人増に下方修正されました。さらに時間給賃金は前年比2ヵ月連続で3.1%と堅調となった一方、前月比では+0.2%と予想を下回ったほか、10月も+0.1%へ下方修正されました。

良い数値への反応は限られ、悪い数値に反応し易い状況はセンチメントの弱さを反映しているとも思われ112.62円へ反落。さらに先の米中首脳会談での米国の求めた改善策についてナバロ国家通商委員長が猶予期間の90日以内に進展がなければ新たな関税を課す用意があるとしたことで株安が加速、ドル/円は112.56円まで反落しました。しかし112円台半ば割れが回避されたことでドル/円は112円70銭台へ反発し112円74銭で7日のNY市場の取引を終了しました。

注目すべきポイントはここ!今週の見通し

週明け10日は週末7日の米11月雇用統計の結果や米中貿易問題への懸念再燃を背景にしたNY株式市場の大幅下落に加え、日本7-9月期GDP改訂値に対する日経平均株価の反応次第では円高が進む可能性も懸念される週明けとなりそうです。

今週は引き続き、米債券市場での一部期間で見られた長短金利差の逆イールドが改善に向かうのか注目されます。さらに11日には英EU離脱協定案を巡る英議会での採決を控えていることから欧州から複数の要人発言も予想され、否決、可決の二択のみならず、否決された際の英政府の対応や野党および与党内の反対議員がどのような行動に出るのか、不透明感が高まる中でのポンドの動向には警戒が必要です。同時に10日には、トルコ7-9月期GDPの発表があり、マイナス成長に転じると予想されているだけに、結果次第では、13日のトルコ中銀政策委員会での利下げ観測が高まる可能性があり、先取りする形でトルコ売りが加速する可能性に注意が必要で、週明けから波乱含みの展開が予想されます。

11日の 英EU離脱協定案を巡る英議会での採決は、日本時間の翌12日の深夜から早朝にかけて採決の結果が判明すると見られており、NY市場終盤、市場の流動性が低下する中でのポンドの上下動には要注意です。欧州ではこのほか、イタリアの2019年予算案を巡るイタリア首相と欧州委員会委員長との会談も予定されているほか、反政府運動が加速するフランス・マクロン大統領に対する逆風などユーロは政治的課題を複数抱えており、ポンドやユーロが対ドルでどのように反応するのか、ドル/円の方向性に大きく影響を及ぼすことが予想されます。

さらに米国内では12日に11月消費者物価指数の発表があり、インフレ見通し次第ではFRBの金融政策への影響や米債券市場の動向が注目されます。さらに米10年債入札も予定され応札倍率次第では金利上昇につながるのか注目されます。先週、米債券市場で長短金利差の逆イールドが確認され、来年のFRBの利上げペースにブレーキが掛るのではとの思惑が広がりつつある中、13日には、17時30分にスイス中銀政策金利の発表のほか、20時00分には前述の通り、利下げが予想されるトルコ中銀の政策金利が発表されるだけに注目されます。

また、13日~14日にかけてEU首脳会議が開催されるだけに、11日の英EU離脱協定案を巡る英議会の結果を受けたEU首脳会議の動向(例えば、英国からEU離脱期日を来年3月29日から延長要請があるなど)次第ではポンドやユーロが大きく振れる可能性もあり、ドル/円の動向にも大きな影響があるかもしれません。また、13日のECB理事会では政策金利の据え置きが予想される中、ドラギECB総裁が会見の中でハト派姿勢を一段と増す内容の発言を行うのか注目されます。

週末14日には日銀短観が予定される中、メジャーSQ算出にあたる14日の日経平均株価への影響が注目されます。安倍政権以降、年足チャートを見ると前年末比でプラス圏を維持し続けた安倍政権の株価上昇のシナリオが崩れるのか、年末に向けた日経平均株価に上昇期待が見られればドル/円の下値支援につながる可能性もあるだけに注目されます。さらに中国11月の小売売上高や鉱工業生産で中国景気減速への警戒感が深まるのか、米中の通商問題の影響が懸念される中で中国の経済指標には注意が必要です。

ドル/円は113円台後半から114円台回復を目指すことができるのか、112円割れへと円高が一段と進行するのか注目のイベントが盛りだくさんの今週の動向が注目されます。

今週発表される主な経済指標としては、以下が予定されています。

12月10日: NZ7-9月期四半期製造業売上高、日本10月経常収支、貿易収支
日本7-9月期GDP(改定値)、豪10月住宅ローン件数
日本11月景気ウォッチャー調査、スイス11月失業率
トルコ7-9月期GDP、独10月貿易収支・経常収支、英10月月次GDP
カナダ11月住宅着工件数、10月住宅建設許可件数
米11月雇用情勢インデックス、米10月JOLT求職件数
12月11日: 日本11月マネーストックM2、日本10-12月期法人企業景気予測調査
豪11月NAB企業景況感指数、豪7-9月期住宅価格指数
英11月失業保険申請件数、英11月失業率、英10月鉱工業生産指数
英10月製造業生産指数、英10月貿易収支、独12月ZEW景況感指数
ユーロ圏12月ZEW景況感指数、米11月卸売物価指数、米3年債入札
英EU離脱協定案の英議会採決
12月12日: 豪12月消費者信頼感指数、日本11月国内企業物価指数
日本10月機械受注、日本10月第三次産業活動指数、南ア11月消費者物価指数
ユーロ圏10月鉱工業生産、南ア10月小売売上高、米11月月次財政収支
カナダ7-9月期設備稼働率、米11月消費者物価指数、米10年債入札
12月13日: 英11月住宅価格指数、独11月消費者物価指数、仏10月消費者物価指数
スイス11月生産者輸入価格、スイス中銀が銀行間金利誘導目標中央値発表
ECB理事会、ドラギECB総裁会見、米新規失業保険申請件数
米11月輸入物価指数、米11月輸出価格指数、カナダ10月新築住宅価格指数 EU首脳会議、米30年債入札
12月14日: 10-12月期日銀短観、中国11月小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資
日本10月鉱工業生産指数、米11月小売売上高、米11月鉱工業生産
米11月設備稼働率、米10月企業在庫

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