WEEKLY REPORT

2019/3/5更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと
為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

ドル/円は3月1日高値の112円08銭を上抜け、一段高となるか?

トルコ消費者物価や中銀政策委員会、南アGDPなど対新興国通貨のドル高継続か

豪中銀、カナダ中銀、ECB理事会、各国の金融政策に対するドルの動向に注目

米2月雇用統計、ベージュブック、FRB要人発言に対する米長期金利の反応は?

英EU離脱協定案の修正を巡る対EUとの交渉の行方に注目

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 110.36-112.08

先週の振り返り

2月22日、FRBが議会に提出する金融政策報告書の中で辛抱強い金融政策の方針が示され米長期金利が低下した一方、黒田日銀総裁が「インフレが勢いを失えば追加緩和の可能性に言及、さらに、米中通商交渉への進展期待もリスク選好につながり、ドル/円は110円68銭でNY市場の取引を終了しました。

週末24日まで延長された米中通商交渉では関税障壁など幾つかの点で隔たりが見られたものの、トランプ大統領が3月1日の対中関税の引上げ期限の延長を公言したことから週明け25日の上海株は昨年6月以来の水準を回復するなどリスク選好の中、ドル/円は110円86銭へ上昇、さらに上海株の大幅高を受けた欧米株が上昇するなど、リスク選好の動きを好感しドル/円は年初来高値となる111円24銭まで上昇しました。

ただ、200日移動平均線(111.31円)が上値抵抗として意識され、110円台後半へ反落。その後も110円台後半での膠着を続ける中、パウエルFRB議長の議会証言では従来からの利上げに辛抱強い姿勢で臨む方針が繰り返され米長期金利が低下、さらにインドとパキスタンとの国境紛争地域カシミール地方上空での戦闘機撃墜など地政学リスクが意識される報道が嫌気され、ドル/円は一時110円36銭まで下落しました。

しかし、月末を意識した需給を背景にドル買いが加速、加えて米朝首脳会談を控え、核廃棄合意への期待もドル買いにつながるなど、リスク選好の中、ドル/円は111円07銭まで反発しました。

28日発表の日本の鉱工業生産指数が予想以上に低下したほか、中国製造業景況指数も3年ぶりの水準へ低下したことも嫌気されたほか、米朝首脳会談での合意文書への署名なしとの期待外れの結果もドル売りにつながり、ドル/円は110円66銭まで下落しました。しかし、2月14日に発表された米12月小売売上高が9年ぶりの低水準となったことを受けて下振れが懸念された米10-12月期GDPは、市場予想(前期比+2.2%)を上回る+2.6%と米国経済の減速懸念の後退につながり、ドル/円は111円49銭まで上昇しました。

さらに円安の進行を好感した1日の日経平均株価や製造業指数の上昇を好感した上海株の上昇に加え、欧米株先物の上昇などを背景にドル/円は111円台後半へ上昇しました。個人所得や個人消費がマイナスに転じたほか、ISM製造業景況指数など米経済指標が予想を下回ったことで111円64銭まで反落したものの、ロンドンフィキシングに向けたドル買い観測に加え、米中通商交渉についてクドロー米国家経済会議議長が3月半ばの米中首脳会談での合意文書署名の可能性に言及したことも好感され、米長期金利の上昇に伴ってドル/円は112円08銭まで上昇しました。その後は利益確定売りに押され伸び悩んだものの111円92銭で3月1日の取引を終えました。

注目すべきポイントはここ!今週の見通し

今週もドル/円は引き続き堅調な値動きを継続するか、週末8日の米2月雇用統計に向けて先週末1日に付けた112円08銭を上抜け、昨年12月20日に付けた112円60銭に向けて一段高となるか注目されます。雇用統計は就業者数が18.5万人増と前月から減少が予想される一方、失業率は3.8%と前月の4.0%からの改善が見込まれています。さらに時間給賃金の改善も見込まれているだけに、こうした期待がドル/円の底堅い値動きを支援すると思われます。そのため、労働市場に関する一連の指標として、5日に発表される米2月ISM非製造業景況指数の雇用指数のほか、6日に発表される米2月ADP雇用統計や7日の米2月企業人員削減数や新規失業保険申請件数など指標が注目されます。

さらにベージュブック(地区連銀経済報告)で米国経済の現状の堅調さに加え、先行きに対しても過度が悲観的な見方が示されることがなければFRBの年内の利上げの可能性も改めて意識される可能性もあるだけに複数のFRB要人発言と合わせて米長期金利の反応が注目されます。

加えて、今週はドル/円そのものの動向以上にユーロ、カナダ、豪ドル、さらにはトルコや南アランドなど新興国市場の対ドルでの動向がドル/円の方向性を左右する上で大きな影響を及ぼすと考えられることから、それぞれのイベントに対する反応も注目されます。

今年1月にパウエルFRB議長が金融政策を昨年までの引締め方針から中立スタンスへと転換、こうした金融政策の変更により昨年11月~12月にかけて大幅に下落したNY株式市場は、底打ちから上昇へと転じ、NYダウも1月月間の1,672ドル高に続き2月の月間の上昇幅も916ドル高と上昇基調へ転じました。こうしたリスク選好の動きに勢いを付けたのが、米中通商交渉での対中制裁関税の引上げ期限の延長決定や英EU離脱期限の延長観測など、最悪シナリオが回避される見通しが強まったことが大きく市場環境を好転させました。さらに、新興国各国も昨年の米FRBの利上げ継続スタンスが休止されたことで、資本流出回避のために、自国経済を犠牲にしつつ、通貨安防衛のための政策金利引き上げ継続を休止、金融政策を中立スタンスへと変更する動きが見られます。

こうした中、今週4日に発表されるトルコ2月消費者物価指数を受けて6日のトルコ中銀政策委員会で利下げされるのかトルコリラの対ドル、対円での反応が注目されます。また、5日には南ア10-12月期GDPが発表されますが、結果次第で対ドル、対円でのランド安につながる可能性もあるだけに、ドル/円の動向にも影響すると思われます。

さらに、オーストラリアでは5日の豪中銀政策委員会に続く6日の豪10-12月期GDPの結果次第で豪中銀が年内の利下げ観測を高めることになればドル買い豪ドル売りが加速するかもしれません。加えて、6日にはカナダ中銀の政策委員会が開催され、こちらも声明文の内容次第で対ドルでのカナダの方向性に変化が見られそうです。

こうした中、7日のECB理事会では、ドラギECB総裁の会見も含め、ECB内部で従来から検討されているTLTRO(貸出条件付長期資金供給オペ)の実施に向けて一段と踏み込んだ発言があれば緩和政策への後戻りが意識されるだけにユーロの対ドルでの下落につながる可能性もあるだけに注目されます。

そのほか、英EU離脱期限である3月29日まで1ヵ月を割込む中、英国とEU側との離脱協定修正案を巡る交渉の行方もリスク選好の動きを強めるのか、リスク回避へと警戒感を高めることにつながるか、ドルの対欧州通貨の動向に影響を及ぼすだけに、こうした動きもドル/円の112円台半ばへと一段高につながるのか、或いは、112円台前半を高値にポジション調整のドル売りを誘う要因となるのか注目されます。

今週発表される主な経済指標としては、以下予定されています。

3月4日: 日本2月マネタリーベース、豪1月住宅建設許可件数
トルコ2月消費者物価指数・卸売物価指数、英2月建設業景況指数
ユーロ圏1月卸売物価指数、米12月建設支出
3月5日: 中国全人代開幕、英2月小売売上高、豪10-12月期経常収支
中国2月財新サービス業景況指数、豪中銀金融政策委員会
スイス2月消費者物価指数、独・仏・ユーロ圏サービス業景況指数(改定値)
英2月サービス業景況指数、南ア10-12月期GDP
ユーロ圏1月小売売上高、米12月新築住宅販売、米2月景況感指数
米2月ISMサービス業景況指数、米1月月次財政収支
3月6日: 豪10-12月期GDP、トルコ中銀金融政策委員会、米2月ADP雇用統計
米12月貿易収支、カナダ12月貿易収支、カナダ10-12月期労働生産性
カナダ2月景況感指数、カナダ中銀政策委員会、米1月製造業受注
米ベージュブック(地区連銀経済報告)
3月7日: 日本前週分対内対外証券投資、豪1月貿易収支、豪1月小売売上高
日本1月景気先行・一致指数、スイス2月失業率、ユーロ圏10-12月期GDP
米2月企業人員削減数、ECB理事会、ドラギECB総裁会見
米10-12月期労働生産性、カナダ1月住宅着工許可件数
米前週分新規失業保険申請件数、米12月消費者信用残高
3月8日: NZ10-12月期製造業小売売上高、日本1月全世帯家計調査
日本10-12月期GDP改訂値、日本1月経常収支・貿易収支
中国2月貿易収支、日本2月景気ウォッチャー調査
独1月製造業新規受注、仏1月経常収支・貿易収支、1月鉱工業生産指数
カナダ2月住宅着工、カナダ2月雇用統計(失業率、新規就業者数)
米2月雇用統計(失業率、就業者数、時間給賃金)
米1月卸売売上高、卸売在庫

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