ウィンドウを閉じる

ウィークリーレポート

WEEKLY REPORT
2019/3/12 更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

  • ドル/円は3月8日の110円75銭を当面の下値として再度、反発に向かうか
  • 英EU離脱協定修正案の議会採決の結果、およびその後の反応に注目
  • 米1月小売売上高、12月の減少は政府系機関閉鎖による一時的なものか確認
  • 米2月消費者物価指数を受けて、インフレ見通しの下振れ懸念に歯止めがかかるか
  • 中国全人代の終盤に向けた米中通商交渉進展が一段と進むか注目

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 110.75-112.13


先週の振り返り

ドル/円は3月1日に米国家経済会議(NEC)クドロー委員長が米中通商交渉の進展や今月下旬にも米中首脳会談が開催される可能性に言及したことからリスク選好の動きが優勢となり、米10年債利回りが2.76%台へ上昇したことに伴い、ドル/円は112円08銭まで上昇、利益確定売りに押され111円92銭で1日の取引を終えました。

4日の東京市場では米中通商交渉の進展に対する期待感を継続、ドル/円は111円76銭を下値に111円89銭台での小動きに終始、トランプ大統領による他国とのビジネスに影響を及ぼすほどの強過ぎるドル高は望まないとする発言も上値抑制の一因となりました。また、NY市場では2月27日に行われた議会公聴会でのトランプ大統領の元大統領顧問弁護士が様々なトランプ大統領のスキャンダルや職権乱用などの証言について米司法委員会が調査を開始したとの報道が政権運営の先行きに対する不透明感につながりNYダウの大幅安と共にドル/円は111円64銭まで下落する場面が見られました。

しかし、翌5日の東京市場では、あらためてドル/円の底堅い値動きを確認し111円96銭へ反発、中国全人代での2019年の成長率目標が昨年から引き下げられたことへの反応も限られる中、米ISM非製造業景況指数や米新築住宅販売が予想を上回ったことから、米10年債利回りの2.75%への上昇とともにドル/円は112円13銭まで上昇しました。しかし、米中通商交渉進展期待もかなり市場に織り込まれたとしてNYダウや米長期金利の上昇も続かず、ドル/円も111円79銭へ反落しました。

その後、ドル/円は連日111円台後半を中心に、概ね111円60銭台から111円80銭台を中心に小幅な値幅での推移を続けました。7日の海外市場では、OECD(経済協力開発機構)が世界経済及び主要各国の成長率見通しを下方修正、中でも欧州の成長率見通しには厳しい見方が示されました。

こうした中、7日のECB理事会では成長率およびインフレ見通しが大幅に下方修正したほか、従来今夏以降の利上げを想定していたECBが年内の利上げを断念。加えてユーロ圏の銀行貸出の減少に対するテコ入れ策として新たな資金供給策を決定したことからユーロは対ドルで2017年6月以来となる1.1176ドルへ下落。ユーロ/円の下落やポンド/円の下落も影響し、ドル/円は111円48銭まで下落しました。さらに、8日に発表された中国2月の貿易収支で輸出入ともに大幅に減少したことから、中国の景気減速懸念が再燃、上海株が4%超の下落となったことからドル/円は110円95銭へ下落しました。

さらに米2月雇用統計は、就業者数が予想(18.0万人)を大きく下回る2.0万人増となったことからドル/円は110円75銭まで下落、一方、対前年比の時間給賃金が+3.4%と2009年4月以来の高水準となったほか、失業率も前月(4.0%)から3.8%へ改善したことが好感され111円20銭へ反発。

一方、今月下旬に予定されていた米中首脳会談に対し、習近平国家主席が訪米をキャンセルすると一部メディアが報じたこともあり、ドル/円は111円02銭へ反落したものの、取引終盤にかけてNYダウが下げ幅を縮小したことから111円17銭で先週末の取引を終了しました。


注目すべきポイントはここ!今週の見通し

先週7日までドル/円は概ね111円60銭から90銭での小幅な値幅での値動きを続けていたものの、OECDによる世界経済見通しの下方修正のほか、ECB理事会での年内利上げ断念、さらに中国2月貿易収支での輸出入減少に加え、米2月雇用統計での就業者数の鈍化など、景気減速懸念が再燃しドル/円は110円75銭まで反落し、111円17銭で先週末の取引を終了しました。

今週のドル/円も一段安となるのか、8日の111円割れが一時的な動きに留まり、再度112円台回復を目指すのか注目されます。

こうした中で今週12日の英議会でのEU離脱修正案の採決の結果次第では合意無き離脱回避で決着が付けば安心感が広がる可能性のある一方、合意無き離脱の是非を問う議会採決や離脱期日の延長の承認を問う採決に至るようであれば、不透明感が増幅されることも予想されるだけに英国経済の先行きのみならず、欧州経済への影響も懸念され、欧州通貨安・ドル高が一段と進む中で世界的に株式市場が軟調地合いとなるか注目されます。

また、米国では11日に1月の小売売上高が発表されます。前回2月14日発表の12月小売売上高がおよそ9年ぶりの下落率となり、米国でも景気下振れ懸念が台頭した経緯があるだけに、1月の小売売上高が持ち直すか注目されます。12月小売売上高の低調な結果は政府系機関閉鎖による一時的要因によるものとの確証を得ることが出来ればドル/円の下値支援につながるかもしれないだけに注目されます。

そのほか、英EU離脱期限である3月29日まで1ヵ月を割込む中、英国とEU側との離脱協定修正案を巡る交渉の行方もリスク選好の動きを強めるのか、リスク回避へと警戒感を高めることにつながるか、ドルの対欧州通貨の動向に影響を及ぼすだけに、こうした動きもドル/円の112円台半ばへと一段高につながるのか、或いは、112円台前半を高値にポジション調整のドル売りを誘う要因となるのか注目されます。

また、12日発表の米2月消費者物価指数や翌13日の生産者物価指数でインフレ見通しを大幅に下方修正する必要のないことが確認できれば、米長期金利の低下も限られると見られ、ドル/円の下値支援として寄与することになりそうです。

少なくとも先月以降の動きをみると、米10年債利回りが2.75%を上抜けるとドル高、2.65%割れへ低下するとドル安に振れる傾向があり、米国の一連の指標を受けての10年債利回りの動向が注目されます。米国の景気減速が1-3月期に留まり、4月以降の景気持ち直しに向けた複数の米経済指標に安心感や楽観的な見通しが聞かれるのか、先週2.21%安と5日続落したNYダウをはじめ、NY株式市場が反発に向かうのか、NY株式市場の動向も注目されます。

そのほか、週末15日に中国全人代が閉幕、米中通商交渉の進展を意識して中国企業の技術移転の強要を禁止する「外商投資法」が可決されるとの観測もあり、取り沙汰される今月下旬の米中首脳会談での米中通商交渉の最終合意への思惑が高まることになれば、懸念される世界経済の下振れ懸念が緩和される可能性もあり、リスク回避からリスク選好が優勢に転じる可能性もあるかもしれません。

さらにトルコ10-12月期GDPが前期比でリセッションを意味する2四半期連続でのマイナス成長となれば高金利下での景気後退、すなわちスタグフレーションが懸念され、トルコリラの対ドルでの下落が他の新興国通貨へ波及する可能性もあり、こうした新興市場の動きにも注意が必要です。

今週発表される主な経済指標としては、以下予定されています。

3月11日
日本2月マネーストック、独1月鉱工業生産、独1月貿易収支、経常収支
トルコ10-12月期GDP、米1月小売売上高、米2月雇用情勢インデックス
米3年債入札
3月12日
日本1-3月期法人企業統計調査、豪1月住宅ローン件数
豪2月企業景況感指数、英1月貿易収支、英1月鉱工業生産指数
英1月製造業生産指数、英1月月次GDP、英議会EU離脱修正案採決
米2月消費者物価指数、米1月JOLT求人件数、米10年債入札
3月13日
豪3月消費者信頼感指数、日本2月国内企業物価指数、日本1月機械受注
南ア1-3月期企業信頼感指数、ユーロ圏1月鉱工業生産
トルコ中銀政策委員会議事要旨公表、米2月卸売物価指数
米1月耐久財受注、米30年債入札
3月14日
英2月住宅価格指数
中国1月小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資、独2月消費者物価指数
スイス2月生産者輸入価格、仏2月消費者物価指数
カナダ1月新築住宅価格指数、米新規失業保険申請件数
米2月輸入物価指数、輸出価格指数、米1月企業在庫
3月15日
中国全人代最終日、日銀政策会合、黒田日銀総裁会見
トルコ1月小売販売、12月失業率、ユーロ圏2月消費者物価指数
カナダ1月製造業出荷、米3月NY連銀製造業景況指数
米2月鉱工業生産、設備稼働率、米3月ミシガン大消費者景況指数
米1月対米証券投資

ご注意事項

  • ※ 本ページに掲載されている情報(以下「本情報」)の著作権を含む一切の権利は、SBIリクイディティ・マーケット株式会社に帰属します。本情報を無断で使用(複製、蓄積、翻訳、翻案、引用、転載、転送、改変、頒布、販売、出版、放送、公衆送信(送信可能化を含む)、伝達、口述、展示)等することを禁じます。本情報の提供について信頼性の維持には最大限努力しておりますが、本情報は、ページ更新時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。本情報は、自らの判断と責任において使用してください。本情報を使用した結果、損失・損害を被ったとしても、当社および情報提供会社は一切の責任を負いません。