ウィンドウを閉じる

ウィークリーレポート

WEEKLY REPORT
2019/3/19 更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

  • 英EU離脱協定修正案(含む離脱期日延長)の英議会採決に注目
  • ドル/円は111円割れへドル安が進むか、112円台へとドル高が進展するか注目
  • 21日~22日のEU首脳会議での英離脱延期を巡るEU側の対応に注目
  • ポンドやユーロなどドルの対欧州通貨の動向や、対円のドル/円の影響に要注意
  • FOMCでは政策金利、成長率見通しが12月時点からどの程度下方修正されるか

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 110.88-111.90


先週の振り返り

3月11日の東京市場では、8日の米2月雇用統計での就業者数の鈍化を受けての110.75円まで下落した影響が残り、朝方からの111円台前半を維持できないまま110円88銭まで下落しましたが、結果的にこの水準が先週を通じた安値となりました。

その後、上海株の上昇に伴う日経平均株価の反発も見られ、111円15銭まで反発したものの、2月14日発表の米12月小売売上高がおよそ9年ぶりの下落率を記録したことから、米1月小売売上高の発表を前にした警戒感が重石となり111円台前半での小動きが続きました。米1月小売売上高は12月から改善したものの勢いはなく、反発も限られた一方、メイ首相とユンケル欧州委員長との英EU離脱協定案の修正を巡る会談が報じられたことが好感され、111円27銭まで反発しました。両者の会談では法的拘束力を伴う北アイルランド国境問題を含めた修正案で合意に達したことで、英国の秩序ある離脱が進むとの期待から111円46銭まで反発、111円台半ばを回復するには至らなかったものの、英EU離脱の進展に向けた期待を背景にポンドが対ドル、対円で上昇、ユーロの対ドル、対円での上昇に波及するなどクロス円の上昇がドル/円の下値支援として機能、ドル/円は111円20銭を下値に111円台前半を中心に堅調な値動きを続けました。しかし、メイ首相とユンケル欧州委員長とで合意した修正案は法的な裏付けに欠けるとの指摘もあり、与党保守党内の一部議員からも反対票が投じられ否決され、リスク選好の動きには至りませんでした。

さらに、7日のECB理事会での年内利上げ凍結や新たな資金供給策の導入が決定されたほか、米2月消費者物価指数の伸び悩みが確認されたことで、時間給賃金の上昇がインフレ期待に結びついていない現状が確認されたことから、FRBの利上げに忍耐強いハト派的な金融政策スタンスが当面維持されるとして米長期金利の上昇も限られるなど、ドル/円の上値は抑制されました。しかし、ECBやFRBの緩和的な金融政策を背景に15日の日銀政策会合でも緩和政策の長期化が見込まれるとして、海外投資家を中心に円売り観測が強まり、14日の東京市場では111円62銭まで、さらに海外市場では111円83銭まで上昇しました。さらに、15日の日銀政策会合を前にドル/円は一時111円90銭まで上昇したものの、日銀政策会合は業況判断を下方修正する一方、緩和策強化といった新たな材料もなく新鮮味に欠ける現状維持となったことから伸び悩む中、北朝鮮の非核化協議停止の報道を受け111円49銭まで反落したものの一時的な下落に留まり、欧州市場では111円76銭へ反発しました。

しかし、米3月NY連銀製造業景況指数が2017年5月の-1.0以来の低水準となる3.7へ低下。さらに鉱工業生産指数の下振れに加え、3月ミシガン大予想インフレ率が前月の2.6%から2.4%へ低下したことから、米長期金利の低下を背景にドル/円は111円38銭へ下落。一方、米中通商交渉進展期待や中国政府の景気刺激策などを好感したNY株式市場の上昇などを受け111円59銭へ反発し、111円48銭で3月15日の取引を終了しました。


注目すべきポイントはここ!今週の見通し

今週は、英EU離脱期限を6月30日まで延長した離脱協定修正案を、3月21~22日のEU首脳会議の前日3月20日までに英議会で可決されるか否か、英EU離脱を巡る山場を迎えることになるだけに、ポンドの対ドル、対円を中心に動向が注目されます。

また、日本時間21日午前3:00のFOMC、3:30からのパウエルFRB議長の会見も注目されます。3月8日の米2月雇用統計では、対前年比時間給賃金が2009年4月以来となる+3.4%へ上昇したものの、3月12日発表の米2月消費者物価指数が前年比1.5%と前月から低下、時間給賃金の上昇や低失業率という堅調な労働市場もインフレ期待の上昇に結びついていないことが確認されただけに、パウエルFRB議長の会見で利上げに対して辛抱強い姿勢を当面維持するとの考えが、一段と利上げ据置きの長期化に言及するか、米債券・株式市場の反応を中心に注目されます。さらに、FOMC委員による政策金利見通しや成長率見通しが、12月時点から下方修正されるとの観測もあり、ドル/円の反応が注目されます。先週末15日時点では、FF金利先物が織り込むFRBの年内利下げ確率が29%と8日時点の17%から上昇、今週のFOMCを受けて一段と年内利下げ確率が高まる可能性もあり、ドル/円の上値抑制につながるかもしれません。

さらに、先週末15日の中国全人代の閉幕を受けて米中通商交渉が一段と進展に向かうのか、トランプ大統領は14日に米中通商問題について「3~4週間以内に中国との貿易取引についてニュースがあるだろう」と述べたほか、ムニューシン米財務長官も一部で合意する見通しとの見解を示しており、4月とされる米中首脳会談について前向きな動きが見られるか注目されます。こうしたイベントを無難に消化しリスク選好の動きが強まるか注目されます。さらに全人代を終えて中国李克強首相が4月1日以降の付加価値税の引下げのほか、政策金利や預金準備率の引下げを検討と報じられており、今週の上海株の動向が注目されます。そのほか、米国との通商交渉において中国企業による技術移転の強要を禁止する規定を盛り込んだ外商投資法が採決される見通しもあり、米中通商交渉の進展につながる可能性も含め、引続き米中通商交渉の進展についての報道も注目されます。

一方、欧州では19日に独3月ZEW景況指数が発表されます。2月22日発表の独IFO景況指数は7ヵ月連続で前月から低下しており、ZEW景況指数も10ヵ月連続でマイナスになることが確実視されており、数値次第ではユーロ売りにつながるだけに注目されます。そのほか、英中銀政策委員会、スイス中銀政策委員会に加え、豪中銀政策委員会議事要旨の公表も予定されています。特に、年内の利下げ観測が高まる豪中銀の金融政策について、19日にケント豪州銀総裁補、20日にブロック豪中銀総裁補の講演が予定されており、利下げの可能性への言及の有無が注目されます。世界的に緩和傾向を強める意向があらためて示された場合、日本の長期債利回りへの影響も含めドル/円の動向にどのような影響を及ぼすか注目されます。

いずれにしても、英EU離脱問題、中国全人代が閉幕したことで、対米通商問題にどのような進展が見られるか、加えて米朝非核化を巡る問題に中国が何らかの支援的仲介に乗り出す可能性もあり政治的な動きを中心に神経質な展開が続く中、ドル/円は111円割れへとドル安円高が進行するのか、あるいは、再び112円台の回復に向かうのか注目されます。

今週発表される主な経済指標としては、以下予定されています。

3月18日
日本2月貿易収支、英2月住宅価格、日本1月鉱工業生産
設備稼働率ユーロ圏1月貿易収支、1月対カナダ証券投資、米3月住宅市場指数
3月19日
豪10~12月期住宅価格指数、豪中銀政策委員会議事要旨公表
英2月失業率、失業保険申請件数、ユーロ圏1月建設支出、独3月ZEW景況感指数
ユーロ圏3月ZEW景況感指数、米1月製造業新規受注
3月20日
英議会EU離脱修正案を巡る議会採決(20日以前の可能性も)
NZ10-12月期経常収支、日銀政策会合議事要旨公表、ユーロ圏2月生産者物価指数
南ア2月消費者物価指数、1月小売売上高、英2月消費者物価指数、小売物価指数、卸売物価指数
FOMCパウエルFRB議長会見
3月21日
NZ10-12月期GDP、豪2月雇用統計(就業者数、失業率)、トルコ3月消費者信頼感
スイス中銀政策委員会、英2月小売売上高、英中銀政策委員会 四半期インフレレポート
カナダ1月卸売売上高米10-12月期経常収支、米2月景気先行指数
米3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米新規失業保険申請件数
3月22日
日本2月全国消費者物価指数、ユーロ圏1月経常収支
仏・独・ユーロ圏3月製造業、サービス業景況感指数PMI、カナダ1月小売売上高
カナダ2月消費者物価指数、米1月卸売売上高、米3月製造業、サービス業、総合景況感指数PMI
米1月卸売在庫、米2月中古住宅販売件数、米2月月次財政収支

ご注意事項

  • ※ 本ページに掲載されている情報(以下「本情報」)の著作権を含む一切の権利は、SBIリクイディティ・マーケット株式会社に帰属します。本情報を無断で使用(複製、蓄積、翻訳、翻案、引用、転載、転送、改変、頒布、販売、出版、放送、公衆送信(送信可能化を含む)、伝達、口述、展示)等することを禁じます。本情報の提供について信頼性の維持には最大限努力しておりますが、本情報は、ページ更新時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。本情報は、自らの判断と責任において使用してください。本情報を使用した結果、損失・損害を被ったとしても、当社および情報提供会社は一切の責任を負いません。