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ウィークリーレポート

WEEKLY REPORT
2019/5/14 更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

  • 先週末の米中通商交渉を終えて週明けの株式・為替市場が反発するか
  • 為替市場は政治相場からファンダメンタルズ相場へ回帰するか
  • 米小売売上高や鉱工業生産などから米経済の緩やかな成長持続を確認できるか
  • 独1-3月期GDPやZEW景況指数など欧州経済に対するユーロの反応に注目
  • 豪雇用統計に対する豪ドルやトルコ失業率などを受けてのリラの下振れに要注意

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 109.47-110.96


先週の振り返り

5月3日、予想を上回った就業者数や49年ぶりの低失業率など好調な米4月雇用統計を受けてドル/円は一時111円73銭へ上昇したものの、時間給賃金が伸び悩んだことなど低インフレ観測を背景に米長期金利が低下、ドル/円は111円10銭で取引を終えました。週明け6日未明にはトランプ大統領が対中制裁関税を課すと表明、4月30日から北京での米中閣僚級による通商交渉に続き、5月8日からワシントンで再協議を経て、合意に漕ぎつけると思われていただけに唐突な印象は免れませんでした。

6日早朝のシドニー市場でドル/円は110円台半ばへ下落、さらに110円29銭まで下落したほか、人民元も対ドルで1ドル=6.81元を突破、加えて上海株も5%超の下落となるなど市場はリスク回避に反応しました。その後、ポジション調整による巻き戻しが見られたものの111円台の回復には至らず上値の重い週明けとなりました。

日本が大型連休を明けた7日の日経平均株価は22,000円割れへ下落、また豪中銀政策委員会での政策金利据置きを受けた豪ドル/円の反発にもドル/円は追随できないまま、欧米株先物の下落も影響し、ドル/円はジリ安の展開を続け8日の東京市場では節目とされた110円割れまで下落しました。

元号が改められ令和になって以降、円高・株安を続け、その後も110円26銭までの反発に留まるなど上値が重いまま、5月9日のNY市場では109円47銭まで下落しました。しかし、トランプ大統領が米中閣僚級によるワシントンでの通商交渉を前に習近平国家主席からの書簡を預かったこと、さらに米中首脳による電話会談の可能性への言及も聞かれドル/円は109円90銭まで反発。さらに10日の日経平均株価が一時181円高まで反発したこともあり、ドル/円は110円05銭まで反発。

しかし、日本時間13時01分、対中関税発動が発表されたことから109円63銭へ反落後、欧州市場では109円台後半へ反発したものの、NY市場ではトランプ大統領が、中国からの輸入製品3,250億ドルにも25%の関税を課す考えを示し、中国との交渉を急がないとしたことでNYダウが358ドル安まで下落する中、ドル/円も109円47銭まで下落しました。

その後、ムニューシン財務長官から交渉は建設的、さらにトランプ大統領からも今後も交渉は継続、交渉次第で関税は撤廃もしくは継続、習近平国家主席との関係は非常に強いとしたことでNYダウが190ドル高へ反発。ドル/円も110円台を回復し109円95銭で先週末の取引を終了しました。


注目すべきポイントはここ!今週の見通し

今週は先週末のワシントンでの米中通商交渉を経て週明けの日経平均株価や上海株、更には欧米株先物の動向が注目されます。また、引き続きトランプ大統領によるツイート発信や中国要人からの発言にも引き続き注意が必要です。米中通商交渉を巡る政治主導の相場が今週も継続するか、あるいは一旦の棚上げとなりファンダメンタルズ中心とした相場に回帰するか注目されます。

そもそも米中貿易不均衡の是正を関税だけによって解決することは難しいとの認識は明らかであり、米中間での交渉継続が確認された安心感が金融市場の下値支援につながると予想されます。さらに中国は米国からの対中制裁関税引上げにも具体的報復措置を示しておらず、こうした冷静な対応も金融市場の安心感につながる一因と思われます。これ以上のリスク回避が進むのか冷静に見極める必要があり、ドル/円は先週9日に付けた109円47銭を当面の下値と確認できるか注目されます。さらに、ドル買い円売りポジションの調整も進んだことや機関投資家らによる中長期の外貨建資産への投資もドル/円の下値支援につながると思われます。

こうした中、今週の米経済指標では14日の4月輸入物価、15日の4月小売売上高、鉱工業生産、5月NY連銀製造業景況指数、16日発表の5月フィラデルフィア連銀製造業指数、4月住宅着工のほか、17日発表の5月ミシガン大消費者景況指数などが控えています。

先週末10日発表の4月消費者物価指数に続き、今週の輸入物価指数を受けてFRBのインフレ見通しに影響を及ぼすか注目されます。また、鉱工業生産はこれまで前月比(1月:-0.4%、2月:+0.1%、3月:-0.1%)と鈍化・低下傾向にあるほか、前年比でも低下傾向が顕著になっており、米国の対中関税引上げの影響により中国から輸入・調達していた部品供給が減少、米国製造業の生産活動に悪影響を及ぼしたとの見方も聞かれるだけに、先週末の米中通商交渉を経て、先行き改善の見通しが見られるか注目材料の一つになりそうです。

また、米4月小売売上高に関しては4月26日発表の米1-3月期GDPこそ、前期比+3.2%と予想を大きく上回ったものの、貿易と在庫を除いた国内消費は前期比+1.4%に留まるなど個人消費の弱含みに改善が見られるか注目されます。こうした中でドル/円は再度110円台を回復し、トランプ大統領による対中制裁関税引上げに言及したツイート前の水準を回復できるか注目されます。

中国では15日に4月小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資が発表されます。中国経済の減速懸念の緩和につながるか注目されます。また、今回の米中通商交渉を経た今週の上海株や対ドルでの人民元の動向も注目材料の一つとなります。先週9日には米中通商交渉を巡る不透明感を背景に人民元の中国からの資本流出が懸念され人民元が対ドルで下落しただけに、交渉継続を確認した今週の動きが注目されます。

そのほか、9日にトルコ中銀が3月に続き、再度一週間物レポの停止を発表、実質的な利上げ措置を講じたものの反発も限られ引締め策は不発に終わっています。こうした中で来週13日にトルコ3月経常収支、14日に3月工業生産、15日に2月失業率が発表されます。トルコでは3月31日の統一地方選でのイスタンブール市長選を巡り、エルドアン大統領率いる与党・公正発展党が選挙戦のやり直しを求め、6月23日の再選挙が決まっています。しかし、トルコの経常収支は昨年12月から3ヵ月連続で赤字が続いており3月も経常赤字が続くのか、さらには失業率も14%台と高水準となっているだけに、経済・財政に不安の残るトルコリラの動向には引き続き注意が必要です。

今週発表される主な経済指標としては、以下予定されています。

5月13日
日本5月景気先行指数、トルコ3月経常収支
5月14日
日本3月経常収支・貿易収支、豪4月企業景況感指数
日本4月景気ウォッチャー調査、独4月消費者物価指数(改訂値)
スイス4月生産者輸入価格、英4月失業率、失業保険申請件数
独5月ZEW景況感指数、ユーロ圏3月鉱工業生産、米4月輸入物価
5月15日
日本4月マネーストックM2、豪5月消費者信頼感指数
中国4月小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資
独1-3月期GDP、仏4月消費者物価指数(改定値)
ユーロ圏1-3月期改訂値、南ア3月小売売上高
カナダ4月消費者物価指数、米4月小売売上高、5月NY連銀製造業指数
米4月鉱工業生産・設備稼働率、5月住宅市場指数、米3月企業在庫
5月16日
日本4月国内企業物価指数、豪4月雇用統計、ユーロ圏3月貿易収支
カナダ3月製造業出荷、米4月住宅着工件数・建設許可件数
米新規失業保険申請件数、米5月フィラデルフィア連銀製造業指数
5月17日
日本3月第三次産業活動指数、NZ1-3月期卸売物価指数
ユーロ圏3月建設支出、4月消費者物価指数(改訂値)
米4月景気先行指数、5月ミシガン大消費者信頼感指数

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