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ウィークリーレポート

WEEKLY REPORT
2019/6/11 更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

  • 米5月雇用統計やG20財務相会議、貿易閣僚会議の週明けへの影響は?
  • 原油や資源国通貨の動向にも影響を与えかねない複数の中国経済指標に注目
  • 米消費者物価、輸入価格、小売や鉱工業生産から低インフレ、低成長へ懸念?
  • 米の対メキシコ関税発動を停止したことが米中通商交渉の進展につながるか
  • 英保守党党首選を巡る離脱問題やトルコ中銀政策委員会を経てポンドやリラに注目

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 107.81-108.62


先週の振り返り

5月31日のNY市場ではトランプ大統領による対メキシコ関税に加え、中国の対米制裁関税の発動など通商を巡る関税・報復の繰り返しにより、世界経済に対する減速懸念を背景にNY株式市場が大幅安となったほか、米長期金利の低下を背景にドル/円は108円28銭まで下落し安値引けとなりました。

週明け6月3日以降も米長期金利の低下が続く中、米ISM製造業景況指数の下振れの一方、対ドルでの欧州通貨の買戻し優勢に伴うユーロ円やポンド円の上昇に支援されドル/円は108円45銭まで反発したものの、セントルイス連銀総裁が近い内の利下げの可能性に言及したことから107円89銭まで下落、さらに108円台前半への反発を挟みつつ、翌6月4日には107円86銭へと下落するなど上値の重い値動きが続きました。

こうした中で豪中銀政策委員会では予想通り0.25%の利下げを決定しましたが、声明文では追加利下げへの言及が見られなかったことから豪ドルは対ドルで0.7003ドルへ、対円で75円69銭まで反発、米FRBの利下げ観測を背景に豪ドルの下げにも一服感がみられました。その後、米中通商交渉を巡り、中国側が米国との対話を求めているとの歩み寄りの姿勢が報じられNY株式市場の大幅上昇とともにドル/円も108円35銭まで反発しました。

しかし、米5月ADP雇用統計就業者数が2010年3月以来の2.7万人増と予想(18.5万人増)比大きく下振れたことから、雇用統計への警戒感を背景に107円81銭まで反落しました。ただ、米5月ISM非製造業景況指数が予想を上回ったほか、米大統領補佐官が10日発動予定の対メキシコ関税の発動は必要ないかもしれないと発言。加えてベージュブック(地区連銀経済報告)では貿易政策の不確実性が懸念との指摘の一方、米国経済は緩やかに拡大との落着いた内容になった安心感もNY株式市場の上げ幅拡大を支援したことから、ドルが対主要通貨で堅調となり、ドル/円は108円48銭まで上昇、その後は108円02銭を下値に108円56銭まで一段高となりました。

週末6月7日には米5月雇用統計を控えて108円台40銭台を中心にした小動きに終始。雇用統計はADPに続き、予想比大きく下振れ就業者数は7.5万人増に留まったほか、4月分、3月分も下方修正。さらに前年比時間給賃金も+3.1%と前月から鈍化。こうした結果を受けてFRBの早期利下げ観測が一段と加速し、米長期金利が低下したことでドル売りが優勢となり、ドル/円は107円88銭まで下落しました。一方、利下げ観測を好感したNY株式市場の続伸を背景にリスク選好の思惑も見られ、ドル/円は108円26銭へ反発し108円18銭で6月7日の取引を終えました。

また、NY市場引け後にトランプ政権は10日から発動が予定されていた対メキシコからの輸入品への制裁関税の発動停止を正式に発表しました。


注目すべきポイントはここ!今週の見通し

先週末6月7日の米5月雇用統計の影響に加え、週末8日~9日にかけて福岡で開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議の中で、日米間での為替条項を巡り、米国からの具体的な要求が見られなかったこと、また、つくばでのG20貿易閣僚会議での米中間の通商交渉にも具体的な進展が見られなかったものの、対メキシコ制裁関税の見送りを受けて週明け10日の為替市場でのドル/円は堅調な値動きで取引を開始しています。

先週までの政治主導の相場から7日の雇用統計の影響も踏まえ、ファンダメンタルズ主導の相場展開への転換が見込まれます。依然として先週末発表の米5月雇用統計を受けて米中通商問題が足許の米国経済へ想定以上に影響を及ぼしていることが確認されたことでトランプ政権が対中貿易問題への強硬姿勢を緩和させる可能性もあり、こうした政治問題を背景にした為替市場への影響は残るものの、ファンダメンタルズへの関心はこれまで以上に相場へ影響を及ぼすと思われます。

10日には中国5月貿易収支が発表され、対米黒字額が米中通商問題に悪影響を及ぼすことになるのか注目されます。そのほか中国では12日に5月消費者物価指数や卸売物価指数の発表に続き、14日には5月鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資も発表されるだけに、中国経済の減速懸念を象徴する結果となれば、上海株の下落のほか、原油価格や鉄鉱石先物市場にも影響が及ぶことから、カナダドルのほか豪ドルやNZドル、さらにはブラジルレアルやロシアルーブルなど新興国通貨の動向を左右しかねないだけに、一連の中国経済指標に対する反応も今週の相場を占う上で焦点の一つとなりそうです。

また、米国では先週末の5月雇用統計での時間給賃金に続き、11日の5月卸売物価指数、12日の消費者物価指数、13日の輸入物価指数が発表されることから、FRBの年内利下げ観測に影響を及ぼす可能性のあるこうしたインフレ指標の結果が注目されます。さらに14日には米5月小売売上高や鉱工業生産も発表されることから米中通商問題の影響が製造業を中心にした一段の米景気の下振れ懸念につながっているのか確認することになりそうです。こうした指標と同時に11日から13日にかけて3年債、10年債、30年債の入札を控えており、応札への需要の強弱が米長期金利の動向に影響を及ぼす可能性があると同時に米長期金利の下げ止まりを確認することになるのか、注目されます。いずれにしてもドル/円は5日の107円81銭を当面の下値として反発に向かうことが出来るか注目です。

そのほか、12日にはトルコ中銀政策委員会、翌13日にはスイス中銀政策委員会が予定されており、米国との関係改善期待を背景に5日に一時19円台前半を回復したトルコ/円が19円台を固め、一段高に向かうのか政策委員会後の反応が注目されます。

さらに10日には7日に英保守党党首を正式に辞任したメイ首相の後任人事を選出する党首選の立候補が締め切られ、党首選が本格的に開始されます。現状11名の立候補者によって争われる予定で11日から来週後半までに行われる第一回目の投票を経て、最終候補者の絞り込みが行われ、上位2名による決選投票が来週後半以降、7月半ばにかけて投票が行われ最終的に新たな保守党党首の選出は英議会の夏季休会前の7月22~26日の間に決定すると見られています。候補者の多数が離脱強硬派、離脱派となっており、10月末に期限を迎えるEU離脱の期日に向けて「合意無き離脱」に向けた動きが加速するのかポンドの軟調が予想されることから注目されます。

今週発表される主な経済指標としては、以下予定されています。

6月10日
日本1-3月期GDP改訂値、4月経常収支・貿易収支
中国5月貿易収支、日本5月景気ウォッチャー調査
英4月貿易収支、鉱工業生産、製造業生産、月次GDP
カナダ4月住宅建設許可、5月住宅着工件数、米4月求職件数
6月11日
日本5月マネーストック、NZ1-3月期製造業売上高、豪5月企業景況感
英5月失業保険申請件数、失業率、米5月卸売物価指数、米3年債入札
6月12日
日本5月企業物価指数、4月機械受注、豪6月消費者信頼感指数
中国5月消費者物価指数、生産者物価指数、ECBドラギ総裁講演
南ア4月小売売上高、トルコ中銀政策委員会
米5月消費者物価指数、5月月次財政収支、米10年債入札
6月13日
英5月住宅価格指数、日本4-6月期法人企業予測調査
豪5月雇用統計(新規就業者数、失業率)、日本4月第三次産業活動指数
独5月消費者物価指数、スイス5月生産者輸入価格
スイス中銀政策委員会、ユーロ圏4月鉱工業生産
南ア4-6月期企業信頼感指数、カナダ4月新築住宅価格指数
米5月輸入物価・輸出価格指数、新規失業保険申請件数、米30年債入札
6月14日
中国5月小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資
日本4月鉱工業生産確報値、仏5月消費者物価指数
米5月小売売上高、鉱工業生産、節義稼働率、米6月ミシガン大消費者景況
米4月企業在庫

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