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住宅ローンの金利タイプとは?
変動金利・固定金利の選び方を解説

住宅ローン契約を考える際、どの金利タイプを選べばいいのか悩む方も多いでしょう。「なるべく金利が低いほうがいい」と思われるかもしれませんが、本当にそれだけでいいのでしょうか。この記事では、これから住宅ローン契約をする方のために、住宅ローンの金利タイプの種類や、自分に合った選び方について紹介していきます。


目次

  1. 住宅ローンの金利タイプの種類とは?
  2. 今選ばれている金利タイプとは?
  3. 金利タイプを選択する際のポイント

住宅ローンの金利タイプの種類とは?

住宅ローンの金利タイプを大別すると「変動金利」と「固定金利」の2種類です。また固定金利には数年間金利が一定のものと借入期間中ずっと同じ金利の固定金利(全期間)があります。それぞれの特徴を知っておきましょう。


変動金利とは?

変動金利 は、一般的に借入期間中、半年に1回ペースで適用金利の見直しがある金利タイプです。多くの金融機関では、すべての金利タイプの中で最も金利が低いという特徴があります。変動金利のメリット・デメリットを確認してみましょう。

メリット デメリット
  • 他の金利タイプに比べて金利が低く設定されている
  • 適用金利が下がると総返済額も少なくなる
  • いつでも他の金利タイプへ変更可能
  • 適用金利が上がると総返済額が多くなる
  • 金利見直しで返済額が変更される可能性があるため、返済計画を立てるのが難しい

変動金利には、金利が低く設定されているというメリットがあります。しかし、金利の見直しが行われ適用金利が上がると、総返済額が増えてしまう可能性がある点は注意が必要です。


固定金利とは?

固定金利は、2年・5年・10年など、適用金利が一定期間固定される金利タイプです。変動金利よりも、金利が高くなる傾向があります。固定金利のメリット・デメリットを確認してみましょう。

メリット デメリット
  • 固定金利期間中は返済額の変動がない
  • 適用金利が変動金利に比べ高い傾向
  • 固定金利期間中は原則、金利の見直しができない

固定金利期間中は金利が変わることがないため、毎月の返済額が変わりません。急に返済金額が上がってしまう心配がないため、計画が立てやすく家計管理がしやすいでしょう。

ただし、固定金利期間が終了した後は、「改めて固定金利を選び直す」「変動金利に移行する」のどちらかを選択することが必要です。その際の金利は、見直し時の金利となるため、契約時よりも高くなっている可能性もあります。


固定金利(全期間)とは?

固定金利(全期間)とは、住宅ローン契約時から完済まで適用金利が一定の金利タイプです。一般的に、多くの金融機関では、すべての金利タイプの中で最も金利が高くなっています。固定金利(全期間)のメリット・デメリットも確認しましょう。

メリット デメリット
  • 契約時点で総返済額が確定している
  • 金利変動をチェックする必要がない
  • 一般的に適用金利がすべての金利タイプの中で最も高い
  • 原則完済まで金利の見直しができない

固定金利(全期間)は、完済までの金利が決まっており、総返済額が確定する点がメリットです。また、金利見直しもないため、金利変動をチェックする必要もありません。

ただし、適用金利はすべての金利タイプの中で最も高いのが一般的です。完済まで金利の見直しがないこともあり、契約中に市場金利が下がった場合でも、その恩恵は受けられません。


今選ばれている金利タイプとは?

ご参考までに、他の住宅ローン利用者がどの金利タイプを選んでいるか確認してみましょう。

「住宅ローン利用者の実態調査(住宅金融支援機構2021年10月調査、2021年4~9月に住宅ローンを利用した人を対象)」によると、67.4%の人が変動金利を選択しています。2022年3月現在も低金利状態は継続していますが、その中でも最も金利が低く設定されている変動金利に人気が集まったといえるでしょう。

同調査では、「今後1年間の住宅ローン金利見通し」についても質問しています。こちらも全体の63.1%、さらに変動金利を選択した人の69.3%が「ほとんど変わらない」と回答しました。今後も金利は変わらないと予想する人が多いことも変動金利人気の後押しになっているといえるでしょう。


金利タイプを選択する際のポイント

金利タイプを選択する際に重視したいポイントや向いている人について、それぞれのタイプ別に解説します。


変動金利選択時のポイント

変動金利は、一般的に半年に1回金利の見直しがあります。選ぶ際に確認しておきたい点は、以下の通りです。

  • 金利が上昇すると、返済額が増える可能性がある
    変動金利は、金利が上昇すると毎月の返済金額や総返済額が増える可能性があります。そのため、返済額が変わっても無理なく対応できる人が変動金利に向いているといえるでしょう。予定外の出費がありそうな人は注意が必要です。
  • 「5年ルール」「125%ルール」を要確認
    変動金利は、定期的に金利の見直しがありますが、その都度返済額が変わると家計への影響が大きくなります。それを防ぐためのルールが「5年ルール」「125%ルール」です(金融機関によって採用していないところもあります)。
  • 5年ルール:金利の変更があっても、毎月の返済額が5年間は変わらないルール
  • 125%ルール:金利の急な変化があっても、5年ごとの返済額の見直し時に前の返済金額の125%までしか上がらないというルール

5年ルールや125%ルールがあれば、家計への負担増はさほどないように感じますが、安心とはいえません。なぜなら、金利が上昇しても返済額が据え置かれる、もしくは125%までしか上がらない場合、毎月の返済額の中で利息部分の割合が増えることになるからです。

つまり、返済を続けても元本の減るスピードが遅くなるため、完済時期になっても元本返済が終わらない事態も起こり得ます。未払い分の元本については、完済時期に一括で返済を求められることもあるため、その際の資金の準備も必要です。

変動金利を選択する際は、金利上昇に伴って発生する未払い分を貯蓄などで一括返済できるかを確認しておいてください。特に、子どもの入学金などでまとまった資金が必要になりそうな人は注意しましょう。


固定金利選択時のポイント

固定金利は、2年・5年・10年・15年など、一定期間金利が固定される金利タイプです。選択する際に確認しておきたい点を見ていきましょう。

  • 変動金利よりも金利が高めになる
    一般的に、固定金利は変動金利よりも金利が高めに設定されています。そのため、今後金利が変わらなかったり、下がったりすることがあれば、変動金利選択時よりも総返済額が多くなる点は、押さえておきましょう。
  • 固定金利選択中は金利タイプの変更ができない
    固定金利は、期間中の金利の見直しはなく、金利タイプの変更もできない点に注意が必要です。ただし、期間中は返済額の変更がないメリットもあります。「子どもに学費がかかる期間」「自動車ローンなど他の借り入れの返済がある期間」など、一定期間返済額を変えたくない人は、固定金利を選択しておけば、予定外の負担増の心配もありません。

固定金利(全期間)選択時のポイント

固定金利(全期間)は、20年・30年・35年などの住宅ローン借入期間中ずっと金利が変わりません。住宅金融支援機構と提携して提供されている住宅ローン「フラット35」もこの金利タイプです。

選択時に確認しておきたい点を見ていきましょう。

  • 変動金利や固定金利よりも金利が高めになる
    固定金利(全期間)は、他の金利タイプよりも金利が高めです。金利の動きや借入期間によっても異なりますが、他の金利タイプ選択時より総返済額が多くなる可能性も高くなります。選択する前にシミュレーションなどで、返済額を確認した上で申し込みましょう。
  • 金利の見直しが全くない
    固定金利(全期間)は、契約時から返済まで一度も金利見直しがないため、他の金利タイプの金利が下がったとしても返済額の変動はありません。ただし、金利の動向に左右される心配はないため、「完済まで同じ返済額を希望する」「金利の動向を気にしたくない」といった人に向いています。

まとめ

住宅ローンを選ぶ際は、金利の高い低いといった点に注目が集まりがちです。しかし、確認すべきはそれだけではありません。「変動金利で返済額が変わっても対応できるか」「固定金利は期間中に金利見直しがないけれど問題はないか」など、チェックしておきたいポイントは多岐にわたります。

金利を選ぶ際は、住宅ローン返済だけでなく、子どもの進学や親の介護、車・家電類の買い替えなど、お金のかかるライフイベントもあわせて検討し、自分に合ったものを選びましょう。

◆氏名
田尻宏子(たじり・ひろこ)

◆保有資格
2級FP技能士
証券外務員第一種

◆プロフィール
複数の金融機関での勤務経験や証券外務員第一種、ファイナンシャル・プランニング技能士2級の資格を活かし、金融関連専門のライターとして活動中。生損保・不動産・ローンの情報を中心に「誰でも分かりやすい記事をお届けする」をモットーに執筆。

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