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試算表とは何?わかりやすく解説

  • 公開日:2021年12月16日

試算表は、仕訳や転記の間違いを発見することに役立ち、会社の利益や財務状況などを確認することができます。ここでは、試算表の見方や種類、作成方法を解説します。

試算表とは?

試算表とは、決算確定作業に入る前に作成する集計表です。仕訳帳から総勘定元帳へ正確に転記されているか検証するためにも役立ちます。
試算表は月末に作成することが一般的です。仕訳数が多くなりすぎると、間違いを見つけにくくなるため、定期的に作成することをおすすめします。
また、こまめに試算表を確認することで、経営の問題点などをいち早く発見でき、対処することができます。

試算表はなぜ必要なのか?

試算表は、主に仕訳や転記の間違いや計算ミスがないか確認するために役立ちますが、ほかにも次の場面で、試算表を活用することができます。

決算書類の作成に役立つ

試算表は月次で作成し、その期間の資産や負債、売上や経費などが記載されるため、1年間の試算表をもとに決算書を作ることができます。また、税制上の優遇を受けるための決算対策や納税資金の準備ができることも試算表を作成するメリットです。

経営の改善計画を立てやすい

試算表から手元資金の状況や売上・利益率の増減、無駄な経費など、問題点を見つけることができます。決算書よりもリアルタイムで経営状態や財務状況を把握できるので、経営戦略や改善に役立てられます。

金融機関からの信用が高まりやすい

金融機関は、試算表や決算書から会社の経営状況を把握して融資の判断をしますが、年度末にまとめて記帳している会社より月次で業務管理している会社のほうが、経理管理が行き届いていると判断されやすいため、金融機関からの信用が高まります。融資を受ける会社としても、自社の経営課題を分析でき、対策を銀行側にアピールすることで、必要な資金を融資できる可能性が高まります。

試算表の種類

試算表には、合計試算表、残高試算表、合計残高試算表の3種類があります。

合計試算表とは

合計試算表とは、総勘定元帳から各勘定科目の借方と貸方の合計をまとめたものです。総勘定元帳の借方、貸方の合計を計算し、合計試算表に転記します。正しく転記がおこなわれれば、借方合計と貸方合計の額が一致し、転記ミスや転記漏れがなかったことを確認できます。

会社が一定期間取引した借方と貸方ごとのそれぞれの合計額がひと目でわかりますが、借方と貸方を相殺した残高の記載がないため、残高を確認することは難しいという側面があります。

例:現金であれば、借方(=入金合計)と貸方(=出金合計)の記載はあるが、入金と出金を差し引いた現在の残高は読み取れません

残高試算表とは

総勘定元帳の勘定科目ごとに残高のみを集計し一覧化したのが残高試算表です。勘定科目ごとに借方合計と貸方合計を比較し、大きい金額から少ない金額を差引いた残高を転記します。残高試算表も正しく転記できていれば、借方合計と貸方合計の額が一致します。
残高試算表は各科目の残高がひと目でわかるため、月次業績が把握しやすく、3つの表の中で頻繁に活用することが多いです。貸借対照表や損益計算書など決算書を作成する際に役立ちますが、借方、貸方ごとのそれぞれの合計金額の記載がないため、転記ミスや転記漏れの確認が難しくなるので注意しましょう。

例:現金であれば、借方(=入金合計)と貸方(=出金合計)の記載がなく、入金と出金を差し引いた現在の残高のみが記載されています。残高試算表だけでは貸借が相殺されてしまうため、入金総額、出金総額が読み取れず、転記ミスの把握や確認が難しくなります

合計残高試算表とは

合計残高試算表は、合計試算表と残高試算表を組合わせた試算表です。
同様に勘定科目ごとに借方合計と貸方合計を合計部分に転記し、各合計を差引いた残高を残高部分に転記します。合計・残高の各合計額がそれぞれ一致することで、転記ミスや転記漏れがなかったことを確認できます。
合計試算表と残高試算表のそれぞれのメリットを兼ねそなえていますが、作成に手間がかかってしまうというデメリットがあります。

試算表の精査の方法

試算表を精査するためのポイントは以下の通りです。

仕訳や転記の間違いがないか確認する

試算表の借方合計と貸方合計が一致していなければ、仕訳や転記に間違いがあるので仕訳帳や総勘定元帳から間違っている仕訳を調べます。
また、総勘定元帳の各勘定科目の取引内容が正確であるかもあわせて確認しましょう。

資産・負債・純資産の状況を確認する

資産、負債、純資産に該当する主要な勘定科目は経営状況に大きく影響するため、試算表で現状を把握しておくことが大切です。売掛金が貸し倒れにつながる可能性も考慮し、未回収にならないよう確認しておきましょう。
また、買掛金や借入金の比率が高いと資金繰り悪化の恐れがあるので、負債が多い場合は注意が必要です。

利益の状況を確認する

収益が多くても費用の比率が高ければ利益があまり出ません。さらに、費用が収益よりも多くなれば赤字につながるため、無駄な費用や不適切な費用はないか、想定通りの利益があるかといった利益の状況を把握しておきましょう。

試算表の作成方法

試算表の作成には主に以下の方法があります。

手書き

試算表は手書きで作成することも可能です。安価に作成することができ、手軽に始めることができます。しかし、取引の数が多いと、作成に手間と膨大な時間がかかってしまい、転記ミスの恐れも増加します。

Excel

計算は自動でできるため、手書きよりも集計ミスは少なくなります。手書きに比べれば手間は減るとはいえ、それでも手間や時間の負担は大きいです。

会計ソフト

日々の取引を仕訳入力するだけで、自動的に総勘定元帳や試算表を作成できるため簡単に作成することが可能です。また、クレジットカードや銀行口座と連携することで、仕訳の自動化もできます。会計処理に時間を取られることなく本業に専念できますが、手書きやExcelに比べて費用がかかります。

まとめ

試算表は、仕訳や転記ミスを防ぎ、正確な決算処理をするためにも欠かせません。仕訳や転記ミスが会計年度末に作成する決算書や確定申告書にもつながり、正しい申告ができないだけではなく、追加で税金がかかる恐れがあるなど、不利益が生じる場合もあります。また、経営状況を常に把握しておくことも大切です。いざというときのためにも、月次で試算表を作る習慣をつけておきましょう。自社で正確な会計処理や書類作成に自信がない場合は、税理士を利用するのも1つの方法です。

執筆者プロフィール:
戸越 裕介(税理士)
船橋生まれ、関西育ち、静岡在住。静岡にて税理士事務所、コンサルティング会社、投資会社などの複数の企業の代表を務める。「難しいことを、日本一わかりやすく」するために、日々研究中。全国の中小企業にITを活用して業務効率化をおこない、経営を進化させる。得意分野は、建設、不動産、太陽光など。節税、補助金、コストダウン、経理自動化など「今すぐ経営に効果が出る」サポートを実践している。オタク気質で、気になることはとことん没頭しすぎることが欠点。

上記内容は、執筆者の見解であり、住信SBIネット銀行の見解を示しているものではございません。

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